ジェットスター欠航、人手不足について(航空時事ネタ)




さて、久々にお口直しで最近の航空ニュースについてちょっと深掘り。

今日はジェットスターのパイロット不足による欠航から、日本のパイロット事情をつらつらと喋ります。

ジェットスター、パイロット不足?で欠航

さて、先日ジェットスターが計画的な減便を発表しました。→ジェットスター、6月70便減便 パイロット手配できず 

病欠や育成の遅れ、勤務上限を考慮した有給休暇取得の必要性などにより、パイロットの勤務シフトを成立させることが難しくなったため。

とありますが、twitter上でも何人か現役パイロットが指摘している通り、そもそものパイロットが足りないみたいですね。

ジェットスター「パイロット有給取得で欠航」の裏に大量移籍の噂

こちらの記事では、欠航の裏にはZIP AIRへの移籍が原因なんじゃないの?って書いてありますが、残念ながら15人全員がzip airに移籍ではないようです。(噂レベルですけどね。)

ポイントは

CAP現在87人、FO76人、ざっくり75セットクルーとして25機体制なので、1機あたり3セットしかいない…

ってところがミソなんかなあと。LCCでステイを出来るだけつくらないようにしているとしても、成田の運用時間ギリギリ使って17時間(6時〜23時)。

3セットクルーで回すとして、1セットクルーあたりフライトタイム1日あたり5~6時間ぐらいですか。

まあ、成田新千歳とか、成田福岡2往復したらそれぐらいになりますかね。

国内線だと3~4レグ(3~4セクター)飛ぶのが普通なので、まあこの基準は普通かなと。

問題は、これ各個人の有給や普通の休み、病欠者などのマージンが一切ないところですかね。

うん。かつかつですね。というより足りていない。笑

パイロット不足の原因

パイロット不足になるよなんて、もう10年以上前から言われているわけですが、残念ながらうちの国は基本問題が顕在化してからしか動こうとせんのです。笑

原因としては3つ

①大量退職
②機材小型化と新規就航
③転職

①に関しては、めでたく団塊の世代が一斉に退職して団塊ジュニアもおっさんからおじいさんにトランスフォームしていく中、その下は不況の煽りを受けてなかなか育っていない。(育てるのやめてたし。)

パイロットの錬成なんて、FOになるまでで2~3年、キャプテンなんて早くてもトータル10年近くかかるのに、そりゃ計画性なかったら終わると。

ちなみに大手2社では足りている。って意見ありますが、足りてないですからね。笑

だから自社養成の人数、信じられないぐらい採用しているでしょ?

今まで子会社に流していたキャプテン、一斉に引き上げてますからね。笑(これは羽田の枠を新たにもらうのに、乗務員が足りていることを条件にしているからって聞いたことあります。)

②に関しては、昔はB747っていう通称ジャンボと言われるでかい飛行機で、1日あたり数回輸送すればよかったので、乗務員も少なくてすみましたが、今は小型〜中型機でピストン輸送するのが主流になってきています。そのため乗務員の数も増やさにゃあかんと。

しかもLCCがガンガンできていて、大手二社子会社も小型機で新規路線開拓しながらガンガン飛ばしています。ってことで需要は伸び盛り。

③に関しては僕がNote出してるので詳しくは言いませんが、大手2社以外は割とフランクに転職するように日本の航空業界でもなってきました。

…ってことで、現在いそいで錬成しようとしていますが、そんなにはうまくはいかないよね〜そもそも教えるキャプテンがいないしね〜っていうのが、現在の日本のパイロット事情。

昔みたいに外国人引っ張ってこようにも、そっちの方が高くつくし、なんならCABがうっさくて、あまり採用できない。

そういえば天草エアラインもパイロット不足で欠航してましたね。

CABは『航空会社として機長が足りないのは異例の状況だ』とか言ってましたけど、まあここまで酷くはないにしても、どこの会社でも足りてないっす。CABパイセン笑

ちゃんと実態調査して、乗務員の人数に対するガイドライン引いて、あまりにひどい会社には是正勧告か運航・路線停止指示ぐらいした方がいいんちゃいますのと。

やっと日本でも疲労リスク管理とか出てきましたけど、その根本的な原因は人手不足ってことちゃいますのと。

人手不足って安全に直結するんですよ。本当に。

 

ちなみに天草エアは今後、ジェイエアが伊丹⇆熊本はコードシェアで代行、パイロット不足はJACに頼るみたいですけど、そもそもその2社も、上の理由(主に転職)から足りてません。

JACに至っては自前の路線維持でさえ大変で、鹿児島⇆種子島、鹿児島⇆奄美、鹿児島⇆徳之島をジェイエアに一部路線移管してます。

いやー大変だ。需要供給バランス崩れまくってる。

日本の地方路線の統廃合

ってことで需要供給バランスが崩れると、民間企業だと儲からない地方路線から順番に切って行かざるを得ません。

JALとかANAには地方自治体から凄まじい圧力(といくばくかの補助金)を受けているため、まあ路線維持しようとしますが、無い物は無いのでしょうがない。

ってことで路線移管や会社の統廃合を含めて、現在偉いおっさんたちが頭ひねりながら考えてます。

地域航空5社 系列超えた統合模索 国交省が実務者協議開催

出来るだけコスト下げようとはしてますけど、やっぱり人がいないってことはインフラにとってはコストになるんですね。そしてそのコストは当然利用者にも転嫁されます。

東京や都市に住むとそれはそれで大きいコストですが、田舎に住むと以外に目に見えないコスト(特にインフラコスト)が高くなるのです。

例えば東京や大阪に住んだら移動はバスや電車ですみますけど、田舎だと車が必須でしょ?田舎のポツンとある一軒家でも、電気ガス水道は通じなければいけないし。(社会的高コスト)

ってことで地方路線に関しても、今後人がいなくなるので利便性をダウングレードしていくのが既定路線かなあと。

ジェットスターの今後は?

さて、話が逸れたのでジェットスターに話を戻すと。

どうしても事業拡大時期になると、歪みが出てしまうのは致し方ないことかなと。(今回の人員不足とかね)

その時に何を取るかで、会社の色が見えますね。

例えばジェットスターはこのまま人員不足の状態で、某会社みたいに『交替要員を置かない』『休日出勤で賄う』『今いる人員を限界まで働かせる』っていう選択肢もあるんですよ。(うちですか?って聞くのはやめてください笑)

でもそれって、安全に直結する部分なんですよね。

それを『便を減らす』っていう選択肢をとったジェットスターは、僕は普通にいいなと思いました。

お客様からしたら『なんて会社だ!』ってなると思うんですけどね。

「ふらふらになりながら、休日出勤してて交替要員もいない、自分が休んだら便が止まる!」ってプレッシャーを受けて飛ぶパイロットの便と、どちらがいいですか?

まあそもそも、しっかり乗員確保してから拡大しろよ!って意見はごもっともです。笑

ではまた。




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