サウスウエスト航空1380便で、何が起きてどんな対処をしたか想像で書くよ。




航大生の就活について最近よく聞かれるので、初noteに投稿しました!→「あまり教えたくない航大生の就活の話。」

さて本題。

先日17日、サウスウエスト航空1380便(B737-700)が空中でエンジンが破損、破片が窓にぶつかったのか窓も割れ、機内与圧低下、死亡者1名負傷者7名という事故になりました。

死亡者が出てしまったのは非常に残念です。

しかしながら、乗員乗客149人中148人の命を守れたと考えれば、このパイロットたちの判断は素晴らしいと思います。

今日はこんな事態が起きた時に、コックピットの中でどんなことが行われているの?…ってことを想像しながら書きたいと思います。

ちなみに参考記事はこちら→「飛行機が壊れた!さあ、どうする?」

状況整理

正式発表を待たないと何も言えませんが、まあこんなしがないブログでの記事では状況も仮定して話を進めようと思います。

①上空何万ftを飛んでいる時に、エンジンが破損。推力低下(もしかしたら燃えていたかも?)

②その数秒後に、窓ガラスが割れたことにより機内与圧が低下。

まあこんな状況を仮定します。(あくまで想像です。)

緊急度の判断。

さっそくですが、今回仮定した状況のうち、緊急度が高いのはどちらだと思いますか?

①エンジン炎上(Engine Fire)

②機内与圧低下(Decompression)

①だと思います?…正解は②です。

というのも高度にもよりますが、上空で与圧されていない状態での人間の意識を失う時間…下手すると5秒とかです。

パイロットが二人とも意識を失ったら、その飛行機の行き先は…墜落です。

機内与圧が低下(つまり機内高度が上昇)した場合、パイロットは酸素マスクを何よりも早く装着し、お互いに意識があるかを確認します。

とりあえず酸素マスクをつけて、意識があることを確認し、高度を下げる。

「飛行機が壊れた!さあ、どうする?」では、「②緊急度の判断」ってところに書きましたが、機体に穴が空いたりエンジンが壊れたらすぐにEmergency Procedureをしなくてはいけません。

今回の場合は①、②のどちらもEmergency Procedureが定められている(だろう)ため、どちらの優先度が高いの?ってお話です。

②のDecompressionの対応としては、①まず酸素マスクをつけ②意識があることを確認し、③高度をすごい勢いでおろします

そしてその高度ですが、きりよく10000ftぐらいまで下げることが多いです。(このときにも周りの山や障害物、MEAなどを把握してないとダメですよね。山にぶつかってちゃ意味ありません。)

降下中に時間があったらEngine Fireの対応をする。

例えば4万ftから1万ftまで7000ft/minで降りる場合、時間としては4分ちょいあります。

この時間を使って①Engine Fireの対応をします。

具体的には該当Engineを止めて、消火剤をEngineへまきます。

この時にも気が動転しているため、いつもだったらやらないこと…たとえば「逆のEngineをとめてしまう」みたいなこともあるんですね。→「トランスアジア235便墜落事故」

「いや〜やらないでしょ。笑」と思っていても、いざ緊急事態になったらやってしまうのが人間でございます。

高度を下げてエンジンの消化も終わったら、また状況把握(と残り時間の算出)

10000ftまで高度を下げ、酸素マスクなしでも呼吸出来るようになったら、酸素マスクを外して状況把握を行います。

ここでCAさんの出番です。

機内のお客様の状況の把握、手当、機体の把握等を行ってもらいます。

その間に「どの空港が一番近くて、すぐに降りられそうかな〜」なんて目星をつけておくものです。

空港の選定、着陸準備、そして管制への通信

キャプテンとどこの空港がいいかな?なんて協議をし、着陸準備、管制への通信をしてあとは着陸です。(1行で書いてますが、この作業量たるや忙殺される勢いでございます。笑)

今回のサウスウエスト航空の場合は窓から人が吸い出されそうになっていたため、スピードをかなり落とさないといけなかったでしょう。緊急事態宣言(Maydayってやつです。)もしたでしょうね。

また着陸予定時刻を知らせ、消防車や救急車を手配してもらいます。

そして着陸

いや、怖いですよね。

こんなことが起きても、「いつも通り、平常心で」着陸しなくてはいけないって。

しかもこういう時に限って、風が吹いてたりするんです。笑

まあでも、今までの対応ってすべて着陸のためにあるといっても過言ではないので、着陸だけは平常心でいつも通りこなさないといけないんです。(飛行機は着陸のために飛ぶんです。意味わからないと思いますけど笑)

着陸後、後処理…

場合によっては、機体から緊急脱出させないといけないでしょう。(今回のサウスウエストは違うと思いますけど。)

あのすべり台みたいなやつです。

そしてパイロットはお客様が全員降りたことを確認し、最後に脱出します。(どっかの国のパイロットみたいに最初に逃げちゃダメですよ?笑)

パイロットは着陸後、別室に連行(怪我がない場合)されて、そのまま事故について尋問されるでしょうね。

ただの愚痴ですが…あとから「なんであの時あんな判断をしたの?こっちの方がいいじゃん。」なんて、いくらでも言えるんですよね。

特に今回みたいなEmergencyの時にはタイムプレッシャーも半端ではないでしょう。そんな中でも、後から人に説明できるような判断を(しかもすぐに)しなくてはいけないって大変なことでございます。

昔教官から言われた言葉ですが…「Bestな選択肢は選べない。Betterな選択肢をその時その時に重ねていくだけだ。」って言葉は、本当にそのとおりだと思います。

まとめ…訓練は大事。

①Engine Fire

②Decompression

どちら対処を訓練で何度も何度もやります。それこそ身体に身につかせるレベルでやります。

というのも、こうやって実際に起こる可能性が0じゃないからなんですよね。

今回は2つもEmergencyが重なり、死者が出てしまいましたが…それでもやはり、僕は今回のパイロットは賞賛に値すると思っています。

パイロットを志す上で、こういった訓練は何度も何度も出てきますが、「あ〜実際にこのEmergencyおきたらどうしよう」なんて考えると訓練にも身が入るものでございます。(自戒を込めて言っています。)

↑この映画でも、パイロットの苦悩みたいな話にフューチャーされてますね。心が痛くなりました。

ではまた。




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